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武士同士の対決は実と実との対決であるが、忍びが戦うときは常に自分は実であり敵は虚である。「正忍記」その5
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正忍記 その11/心の納め理に當たる事の解説

〈武道選書〉
忍術伝書 正忍記


藤一水子正武著
中島篤巳解読・解説
新人物往来社 
平成八年八月二十日初版発行



以下、中島篤巳氏による解読・解説。




心の納め理に當たる事の解説



「道理と利口と知るべき事」では物事の道理すなわち真理を見極めることの重要性が説かれていたが、ここではそれに近づくための心構えについて述べている。


「心を納めるというのは、理性が感情や情念に左右されて判断を狂わせたり、情気を費やして心身共に破れて遅れをとったりと言ったことがないように、常に“気”を強く養っておくということである。

目的を遂げることが出来ないのは、確固たる信念や根性が足らないからである。

目的と対峙した時、その価値の理解と気構えが不十分なために今一歩の所で挫けてしまう。

忍びは気根が弱くては勤まらない。

心静かに落ち着き納まるなら、時として人の気付かないような真理に気づき、出来ないことさえも出来たりするものである。

精気が強ければ堪え難いことも堪え、泰然として動ぜず、物事に焦ることなく勇み足で失敗しないものである。

人の心は奇々怪々で自然の法理そのものの木火土金水、すなわち宇宙がすべて備わっている。

それは必要に応じて瞬時に現われるが、それを求めようとしても普段は求められない。

精神力で火を使わなくても冷たいものを吹き冷ます。

これはまさに森に入ると木は声を響かし、金は水を育て、土はこれを生み出すという条理である。


何と絶妙なことだろうか。

心静まれば水のように無理なく状況に応じて変化し対応することが出来る。

すなわち火は意識しなくても燃やす物に応じてその勢いを変え、木は自然に応じて枝葉や根がはびこる。

風がその木を倒そうとすれば素直に応じれば風になびき勝ち、自然に逆らって争えば風に倒される。

金は硬いが人の成すことに応じて形を変える。

土は水火木金の全部に関係し、その自然の理を生んでいる。

この自然の理に通じていなければ、弁舌に説得力がなく術も徒労に終わり、忍びの技が拙(つたな)いというべきである」




正忍記は天下の状勢を自然(宇宙)になぞらえて真理の流れに従うように説いている。

結局は忍びも大きな自然(人為を含む宇宙)の一員であり、逆らわずうまく時の状況の流れに乗れば無理なく活動できるものであるという。

そのためには自己との戦いがあり、精神力や知力を鍛えて常に力を蓄えておき、信念を持って対処することが必要である。


目的達成率0%で失敗しても失敗であり、また99%達成して残り1%で失敗すれば結果はまったく同じ失敗である。

しかし後者はもう少しで達成することが出来るわけであり、あと一押しの力が普段から蓄えておいた気根である。

ここに「常に心を納め理に当たる」意味がある。


(『正忍記』、183~184頁)





『正忍記』
名取三十郎正澄/藤一水正武(ふじのいっすいまさたけ)丈夫著
巻頭言 勝田何救斎養真
延宝九年(一六八一)

解読・解説 中島篤巳
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[ 2013年04月06日 22:02 ] カテゴリ:正忍記 | TB(0) | CM(0)
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