ビー太郎サバイバル日記

武士同士の対決は実と実との対決であるが、忍びが戦うときは常に自分は実であり敵は虚である。「正忍記」その5
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ツボと日本人 蓑内宗一著

資料
ツボと日本人
 

ツボと日本人
―東洋動作学への道―

蓑内宗一著
いなほ書房
初版(1983、昭和58年)


2002年新装第一版

より抜粋


まえがき

―兵法の行動則は今日のものだ―


私の本が、日本の武道家(推定では百万人以上と言う)はもちろん、最近とみに激増して来た外国の武道家、それに加えて全人口の半数以上とまで推定されている半健康体の人人に読まれる機会を得たことを嬉しく思う。

断って置きたいことは、この本は、“病人”を対象にしていません。 つまり社会のまっただ中で生き、活動している人人、行動をジャマする不快症状に苦しみ悩んでいる半健康体の人人、体力が無い非パワー体の人人が対象です。 世界でも自慢出来る“頭脳”の持ち主である、混在の有識階級の人たちが誰一人も旗幟(きし)鮮明にしなかった“医療”と、“健康法”とを私がはっきり区別した結果であり、今日の混乱の大きな原因が“医療”と“健康法”とをチャンポンにしている大勢の人人のあいまいな態度である、と同時に世界保健機構(WHO)のような権威ある機関でも「健康とは何か?」となると、その定義が実に心もと無い気がします―「健康とは病気でないというだけではない。 なにごとにたいしても前向きの姿勢で取り組めるような、精神および肉体、さらに社会的にも適応している状態をいう」。(註)

素直に自分の体、周囲の人人の体をズバリ直視してください。 “病人”に関わりを持つ人は医師は言うまでもありません。 そして看護している人人ですが、他の大部分の人人は社会の活動の一員として動いているでしょう。 そして残念なことにその動いている人の大部分が、行動をジャマする不快症状に苦しみ悩んでいる半健康体であったり、あるいは非パワー体の人間であるのが今日の現実です。

われわれがお互いに仲良くしたり、喜怒哀楽、生殺與奪(せいさつよだつ)の行為をしあっているのは“病人”と比べてみると、病人以外の大部分の人がしていることでしょう。 病院から宣戦布告も、立法活動も、芸術運動もスタートしていないことは、人間の生活が物語っているでしょう。 そこで止むを得ず“医療”を必要とする人人と、“健康法”を必要とする人人とを截然(せつぜん)と分けることは、今では常識でしょう。

言ってやるが良い。「医療は治るか、治らないかということを目的とし、健康法は行動(活動)が目的である」(念のためにつけ加えると、現行法では“医師”には国家試験がありますが、“健康法の指導者”にはありません。このことは法律的にも職分がはっきりしています)。


注意

この本では、もちろん他の健康書でも私が“半健康体”という言葉をつかったのは私の造語ではありません。 少年時代に耳にした岸本能武太氏の言葉が適切と思いつかったまでのこと。岸本氏は言う

「予(私)は毎日、往来や電車や学校やその他到る処で出会う人人に就いて観察して見るに、残念ながら我が同胞の大多数は、肉體(体)に於てか或は精神に於てか、実際半病人であるらしい。 栄養の不良なる、顔色の憔悴(しょうすい)せる、筋肉の軟弱なる、意志の鎖沈(しょうちん)せる、喪家(そうけ)の狗(犬)の如く、亡国の民の如しと云はれるとも、殆んど辯(弁)解の辭(ことば)があるまいと思はれる位(くらい)である。それも白頭瀕死の老人計(ばか)りがさうであるのならば、まだしものことであるが、新進氣鋭なるべき青年の間に、この種の人々の多きは、東洋の大帝国を以って任ずる日本国民として、実に長体息(ちょうたいそく)の至りである。 試みに思へ、青年の中には、神経衰弱を聯(連)想せしめるものが、少なくないではないか」(大正5年=一九一六)

―今は、客観的な統計数字が一千万以上の半健康体の同胞を計上しているし、年齢も老人とかぎらず青年層もひっくるめた全同胞の問題となっている。 そして観察者(岸本能武太)が連想したことが事実となり日日のニュースとなっている。


(まえがき1~2頁)

つづく


抜粋者注

◆奥付より抜粋 

著者略歴

蓑内宗一(みのうち そういち)

健康法「武医道」の創始者。

京町衆の流れをくむ旧家(井筒屋・大丸)の出身で、出自は甲賀五十三家の名門望月家であり、その七百年にわたる家系には、望月・服部はもちろん、乱世に活躍した有名な豪族などから、系嗣者がきている異色の家だった。

だから『“五輪の書”新研究』の講義は専門家たちからコピーされ、ひそかに愛読されている。

大正11年、長崎生まれ。
東洋医学研究家、武道研究家、作家。
「ツボによる健康法」「東洋医学の効用」「経絡の原典」「武医道健康法」「東洋医学の診断法」等、著書多し。

1991年死去

抜粋ここまで



◆岸本能武太(きしもと のぶた)

慶応元年12月16日(1866年1月22日) - 昭和3年(1928年)11月16日

参考:岡田虎二郎、岸本能武太『岡田式静坐三年』、
http://www.butterflylost.net/dl/nomura200903.pdf


◆「喪家の狗」は、本文に(そうけ)と送り仮名があるが、調べると(そうかのいぬ)が正しいとある。

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[ 2013年01月19日 01:10 ] カテゴリ:ツボと日本人  | TB(0) | CM(0)
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